DEVELOPMENT研究開発
製品紹介「油排出監視制御装置」
こんにちは。
今回はタンカー向けの環境機器である、“油排出監視制御装置”について紹介致します。
油排出監視制御装置(Oil Discharge Monitoring & Control System、以下略称ODM)は、タンカーが油性バラストを船外に排出する際、国際ルールの排出条件を満足するように監視・制御する装置です。
タンカーとは油を荷物として運ぶ船です。
タンカーは目的地で荷物(油)をおろした後、次の港で次回の荷物を載せる前に、油タンクを洗浄するのですが、その洗浄水にはタンクにわずかに残った油や、付着した油が混ざります。これを油性バラストと呼びます。油が混ざっているため、そのまま船外に排出すると海洋環境を汚染してしまいます。しかし次の荷物を載せるためには、油タンク内の油性バラストを捨てて、タンクを空にしなければなりません。
前回、油水分離器の記事で紹介したように、海洋環境を保護するために国際ルールで様々な排出に関する規制があります。
油性バラストについては、次のような排出条件があります。
1. タンカーが航行中であること。
2. 最も近い陸地からタンカーまでの距離が50海里(92.6km)を超えていること。
3. 油分の瞬間排出率が1海里(1.852km)あたり、30リットル以下であること。
4. 排出される油の総量が貨物の総量の3万分の1以下であること。
簡単に言い換えると、船は陸地に近いところで油を排出してはなりません。また、同じ場所で一定量以上の油を排出してはなりません、ということです。船は一定の箇所だけが油で汚染されないように、また陸地に影響を与えない距離を取って動きながらでしか油性バラストの排出をできないことになっています。
また、タンカーは国際ルールで定められた試験(型式承認試験)に合格したODMを搭載しなければなりません。このODMが、先ほど紹介した排出条件を監視し、条件に合わない場合は自動的に排出を停止する役割をもちます。
写真は最新のルールでの試験に合格した、弊社が取り扱っているODMです。
CleanTrack 1000 B型油排出監視制御装置
(写真をクリックすると製品情報ページが開きます)
近年では、世界的に環境保全意識が高まっており、今後、弊社は海洋汚染だけではなく、大気汚染・生物汚染などにも注目し、より地球にやさしい製品開発に取り組んでいきます。