DEVELOPMENT研究開発
栽培条件と野菜の品質
こんにちは。
以前、弊社で行っている栽培試験についてご紹介しましたが、野菜を食べる消費者の立場としては生育の速度等よりも味や栄養素といった収穫物の品質が気になる所かと思います。
今回は異なる栽培条件で育てた野菜の品質の違いについてご紹介いたします。
上記の写真は、弊社で試験栽培を行ったミニトマトの果実です。
いずれも品種は同じで、中央付近にある点線の上下で栽培条件が異なっているのですが、上側のミニトマトは赤色が薄くオレンジ色に近いことがお分かりになるでしょうか。
トマト果実の着色は合成・蓄積される色素の量や種類により変化します。色素の合成は品種による違いの他、日光や気温等の環境要因や肥料成分の過不足により影響を受けます。
写真のミニトマトは同じ品種を用いているので、上側の果実は栽培条件の影響により赤色の色素であるリコペンの合成や蓄積が阻害されたと推測されます。
リコペンをはじめとした植物の持つ色素は健康に良い様々な機能をもつことが知られており、品種改良による機能性野菜が種苗会社や各研究機関により次々と開発されています。そこから栽培条件をコントロールすることにより、さらに高機能な野菜を生産することが可能になるかもしれません。弊社でもより魅力ある野菜が生産できるよう、試験を続けてまいります。