DEVELOPMENT研究開発
新規開発製品(菌床栽培装置)
こんにちは。
今回は、「菌床栽培装置」をご紹介致します。
菌床の栽培に必要な環境条件の「光」「温度」「湿度」「二酸化炭素」を庫内に設置したセンサーで自動制御しています。外部環境の影響を受けにくい環境なので、安定した品質と収穫量を得ることができます。
「光」は、外部同様、昼と夜で点灯を切り替えています。
「温度」管理は、夏場でも庫内を10度以下まで下げることができるユニットクーラーを搭載し、「湿度」管理は、品質向上のためにぬれない霧とよばれる非常に微細な霧を出せるドライフォグ装置を使用しています。
「二酸化炭素」は濃度センサーにより換気を自動で行い、設定値と異なる計測値の場合は、管理者に警報メールを出します。
菌床庫内の情報は、ネット回線によりパソコンはもちろんスマートフォンやタブレットから遠隔操作でカメラから菌床の状態を確認でき、設定値を変更することが可能です。人の手がいる時は、芽欠き作業と収穫するときだけで、後はほとんど、装置内に行く必要がありません。
「菌床栽培装置」では、現在『まるしいたけ』という品種を試験栽培しています。
しいたけの栽培において、近年、原木での栽培が5年間で半減したのに比べて、菌床栽培は5年間で少しずつ増加傾向にあります。自然の気候や天気に左右されやすく年間の安定生産が難しい原木栽培に比べて、菌床栽培は、短期間、低コストで大量生産できます。現在では全国のしいたけ生産量の90%を菌床栽培が占めています。
しいたけの菌床栽培の栽培条件はほぼ確立されていますが、『まるしいたけ』は、一般的なしいたけと比べて環境の変化に敏感な品種で、温度や湿度、二酸化炭素濃度の設定値を細かくコントロールしなければなりません。かつては、屋外のハウスで作られていましたが、ハウス内の環境条件が定まらず収穫量が不安定でした。収穫量を上げて安定させる為に、まず、環境制御を確立する必要があり、「㈱神戸しいたけ研究所」と共同研究で、菌床栽培の工程毎に必要な、菌床内温度・菌床内水分量・室内温度・室内湿度等のデータを分析し、外気温の影響の少ないパネル庫を使って、菌床を制御管理できる「菌床栽培装置」を開発しました。
ここで『まるしいたけ』についてもう少し詳しくご紹介致します。『まるしいたけ』は「軸の部分」が内包され、軸に含まれる栄養素や食物繊維、旨み成分などを捨てることなく丸めた、その名の通りまん丸なしいたけで、栄養素もしいたけの何倍も豊富です。大阪ほんわかテレビや満天☆青空レストランなどのメディアで紹介されて以来、栄養素の高さとそのフォルムで大人気となりました。
今年、『まるしいたけ』の1回目の収穫時には、社内の関係者で試食会を行い、数種類の料理を腕に自信のある弊社の社員が考案し、㈱神戸しいたけ研究所の方や参加者に振る舞いました。みなさんほとんどが『まるしいたけ』をみるのも食べるのも初めてだったのですが、食感と味に満足してみんなで楽しみました。
試食会の様子
引き続き、品質向上と収穫増量の為に環境制御を検証し、今後は、装置の拡大化と、栽培から出荷までのプロセスをパッケージ化した設備の商品化に取り組む予定です。
将来、皆様の食卓に『まるしいたけ』のお料理が並ぶ日が来るよう頑張って行きますのでどうぞ、宜しく御願い致します。